新型ドゥカテイ999テスタストレッタは未来のモーターサイクルである。
それはイタリア・ボローニャ市の我々ボルゴパニガーレ工場で生産された最も先進的で最もハイパフォーマンスなツインシリンダモーターサイクルである。その上、ドゥカテイ999はドゥカテイレーシングヒストリーのパワフルなシンボルであり、10年以上もスーパーバイクレースの世界に君臨し続けた公式の変遷を代表するものである。
モーターサイクルデザインへのドゥカテイのアプローチとは、常に革新的なエンジン・シャーシテクノロジーを盛込み、我々のエンスージアストへ持続的なバリューを有するモーターサイクルを創り上げることである。しかし、我々の歴史にとって鍵となる節目として、ドゥカテイは正に革命的と表現すべき前進をするのである。999をRedvolutionと称するのは、それがスーパーバイクデザインの進化の次のステップを意味するからであり
− 世代を飛び越える跳躍があるからである。999は − トレリスフレーム、L型ツインエンジン、デスモドロミックバルブ機構といったドゥカテイのトレードマークである特徴を有すると同時に、まったく新しい
− CANラインのエレクトロニクス、エアロダイナミックスソリューション、非対称エキゾーストシステム、クリーンエア規制への対応、ライダーエルゴノミクスへの注目、モジュラーデザインとメンテナンス簡素化への取組みを盛込んでいるのである。ドゥカテイは初めてパワートレイン、車体そしてライダーダイナミクスが完全に調和した真に総合的なモーターサイクルを創り上げた。999はドゥカテイが創った最もハイパフォーマンスなスーパーバイク"システム"である。そのルックスは衝撃的である。
Evolution
Redはイタリアンレーシングのシンボルであり、ドゥカテイレーシングスピリットの究極の表現でもあり、世界中で記した何百もの勝利を意味する色である。ドゥカテイ999の祖先と言える1988年にデビューした851は、世界スーパーバイク選手権をツインシリンダモーターサイクルで席巻し始めた。投入当初より、851はモーターサイクルレースワールドの舞台で他のコンペティター達を後方に置き去りにしたのである。851は888、916、996
そして998へと進化を遂げ、モーターサイクルとレースの歴史に永遠に刻まれるスーパーバイクシリーズとなった。それらのモーターサイクルは、レイモン・ロッシュ、ダグ・ポーレン、トロイ・コーサー、カール・フォガティそしてトロイ・ベイリスといったスーパーバイクライダーにとって、世界スーパーバイク選手権の冠を勝ちとる為に選択するウェポンでもあった。1988年の世界スーパーバイク選手権の開始からドゥカテイの勝利の数は他のマニュファクチャラー全てによるものの合計を上回る
: 12年間に192回のレースウィン、105回のポールポジション、9個のライダースタイトルそして10個のマニュファクチャラーズタイトルを獲得しているのである。851投入後、ルール、ライダーそしてサーキットは変わっても”ボローニャ生まれのレッド”は勝ち続ける。
Evolution of the legend
未来のモーターサイクルとはどんなものか?ドゥカテイ999はそれに対する答えである。
今日最も進んだ2気筒エンジンであるテスタストレッタエンジンを中心にした999は、低く、長く、ナローで、エキサイティングなディテイルとメカニカル/テクニカルなルックスのピュアスポーツバイクのフォルムを有している。ドゥカテイ999のようなハイパフォーマンスモーターサイクルにとって、デザインはフォルムを超えた機能追及の結果である。その美しさは、各コンポーネントとディテイルを吟味することにより生まれて来るのである。バイクのルックスと同様に重要な点は、ライダーとマシンとの関係である。999のライディングポジションは、−モーターサイクルの世界でユニークなものである5ポジション調整可能なフットペグにより各ライダーに人間工学的に合わせられるものである。さらに、シングルシートバージョンでは前後方向に20mmシート/タンクユニットをアジャストできる。999は、マン、マシンそして他の要素との関連を見直した新たなアプローチを確立したのである。
Revolution
ドゥカテイ999の類稀なデザインは、極限まで細身に仕上げられたフェアリング、リアサイレンサーを大きく露出させたテールセクション、そしてスイングアームまで延長させたロワーフェアリングとのコンビネーションにより生み出される。ヘッドライトはポリエリソイダルタイプ
− 上下に並べられ、エアロダイナミクス向上に寄与しナローなフロントフェアリングを実現。999の心臓部であるデスモエンジンのリアシリンダーは、アップしたシート・タンクセクション、トレリスフレームの下に露出している。
最新のエレクトロニクスは、ドゥカテイ999のデザインとレイアウトに大きく影響を与えた。自動車産業で生まれた新技術は、電気系統レイアウトの簡素化と全体的な軽量化を実現した。その鍵となったイノベーションは、インストルメントパネルとマニェッティマレリ製エンジンコントロールユニットをつなぐCAN(コントローラ・エリア・ネットワーク)ラインの採用である。このCANラインシステムは、多数のケーブル束、センサー、コネクターを削減でき、3kg近い軽量化を実現した。999はこの最新のテクノロジーを採用した最初のモーターサイクルである。
1)ポリエリプソイダルヘッドライトのペアを採用したナローなフロントフェアリング、999のエアロダイナミクス効率を向上。
2)999のフェアリング開発はドゥカテイのGPバイクと並行して行なわれた。どちらも美しく空力的に優秀である。
3)コンパクトでありながら大容量のシングルチャンバーサイレンサーをカバーする テールセクション。999のエキゾーストシステムは三次元触媒を備えている。
4)フロントフェンダーは999のエアロダイナミクスの”切先”となり、フェアリングとエアコンベヤーとの相乗効果を生み出す。
5)インストルメントパネルは999に2つあるECUのうち1つが統合されている。機能の統合化とコンポーネントのモジュラー化により、999はシンプルで軽量なものとなっている。
6)ドィカテイ999は、三次元CAD(コンピュータ・エイデッド・デザイン)を全面的に使用して設計された始めてのドゥカテイである。スケッチ作成のエイリアス・スタジオ・ペイント、ボディ作成のエイリアス・スタジオ、シャシ開発のユニグラフィックス、エンジン開発のプロエンジニアリングなどプロジェクトの各局面に適した専用ソフトウェアが使用された。
7)ドゥカテイ999のコンポーネントモジュラー化は明確な利点をもたらした:メンテナンスの簡素化、クリーンな”ルックス”、そしてエルゴノミクスの向上である。
8)999の各コンポーネントは、合理的かつ画期的な方法で他のコンポーネントとの統合化や相互関係が考えられた設計がされている。
最適なエルゴノミクス、パフォーマンス、ハンドリング及びコントロールを可能とするライディングポジション
ドゥカテイ999テスラストレッタはフォルムより機能に重きを置いて設計され、結果としてライダーとマシンとの関連性を完璧にするように細心の注意が払われることとなった。デザイナーの手により、最適なコンフォート、パフォーマンス、ハンドリングそしてロード・サーキットでのコントロールをもたらすライディングポジションとコントロール類のアジャストが可能となった。5ポジションに調整可能なフットペグとシングルシーターバージョンに20mm前後方向にアジャストできるシート/タンクユニットにより、バイクを各ライダーの体型と好みに合わせることが可能である。身長1.6mから1.95mまでのテストライダーが、 999から最適なエルゴノミクスを得られるよう、それらの調整範囲を決定した。ドゥカテイ999のレイアウトは、ライダーの手首に余計なウエイトを掛けることなく最適なハンドリングが可能になるよう、フロントエンドに”重点”が置かれている。フューエルタンクは、250GPマシンのように細く低く作られ、快適性と軽快感をもたらす。これはライダーコントロールを向上させる
− そのキーとなる要素は、ライダーに自信を持たせることである、これらエルゴノミクスの公式は、ドゥカテイのGPバイクにも採用された効果的なものでもある。低速域での操作性も、28.5°のステアリング切れ角で大幅に改善されている。
テスタストレッタ: ドゥカテイ999のデスモ魂
新型ドゥカテイ999 テスタストレッタエンジンは、クランクシャフト、シリンダー、シリンダヘッドの新規設計を始め数々の改良が施されている。シリンダヘッドは、バルブ角25°という狭角ヘッドを採用。これにより非常にコンパクトな燃焼室が実現し、フラットトップピストンの使用が可能となった。フラットトップピストンは、スムーズでリニアな火炎伝播が可能となる最良な環境となるため、高効率な燃焼に最適なチョイスである。
999のテスタストレッタエンジンは、デスモクアトロの66に対し63.5mmのストローク、98mmに対し100mmのボアを持つ。ショートストローク化はピストンスピードの低下をもたらし、許容回転数を高め、最大のパフォーマンスと信頼性の向上を両立させた。エンジンケース一体の深さのある新型オイルサンプは、急加速時やコーナーでの極限のバンク時でも確実なオイル供給を約束する。
出力曲線図
馬力とトルクのバランスが絶妙なリニアでコントローラブルなテスタストレッタエンジンのパワーデリバリー
イノベーティブな非対称的レイアウトのエキゾーストシステムと大容量のシングルマフラーは、中速回転域でのトルク向上に大幅に寄与している。999には三次元触媒を装着している。
999のテールライトとリアインジケーターは、1ユニットに統合されている。
ドゥカテイ999の革命的エレクトロニクス
ドゥカテイ999は、電気系統のの簡素化と全体の重量低減を可能とする自動車産業から生まれたテクノロジーを採用した最初のモーターサイクルである。結果、999のエレクトリカルシステムは、従前のものに比べ驚異的な3kgの軽量化に成功した。これを実現させた最大のイノベーションは、インストルメントパネルとマニェッティマレリ製エンジンコントロールユニットという2つのシステムをCAN(コントロール・エリア・ネットワーク)ラインでつないだことである。各センサーからの情報はまず至近のシステムに送られ、デジタル情報を送るのに2本の配線しか必要としないCANラインでネットワークを介しCPUへと伝達される。
ドゥカテイ999には信じ難いほど先進のインストルメントパネルが採用されている。クラシックなホワイトダイヤルのバックライ ト付円形タコメータと、エンジン冷却水温、速度、トリップディスタンス、バッテリー電圧、外気温、燃料消費率を表示するLCDパネルで構成されている。このパネルは、時刻、サービススケジュール、盗難防止装置のステータスも表示する。
その他特筆すべきものとして、エンジンスターターボタンを押す、もしくはオプションのリモートデバイスによって計測可能なオンボードラップタイマーを備えている。ラップ毎にトップスピード、到達最高回転数、オーバーレブの発生、経過時間を記憶する。上記タコメータには、点火システムの異常、方向指示器の動作、エンジン油圧の低下、ニュートラルポジション、ハイビームON、燃料リザーブ、そしてレッドゾーン手前200及び100回転でのオーバーレブインジケーターの警告・表示灯を備えている。LCDパネルもまた、エンジンコントロールシステムの異常を捕らえコード表示する機能を備える。このコードはリペアマニュアルを参照することにより、不具合を特定できる。インストルメントパネルの照明は、外部の明るさにより自動的に調整され、視認性を向上させている。
コンパクトでありながら強力なヘッドランプは、ポリエリプソイダルタイプで垂直線上に2つならべられ、ナローなフロントフェアリングとの調和がとられている。
CAN (コントロール・エリア・ネットワーク): たった2本の配線でセンサーとモジュール間のデジタルデータを伝達するシンプルで軽量なネットワークである。
ディテイルのクオリテイ
ドゥカテイ999の先進のフレーム、ブレーキ、サスペンションにより、ライダーはテスタストレッタの強大なトルクを余すことなく引出すことができる。精密なハンドリングと安定性を完璧にバランスさせたドゥカテイ999は、ハイスピードでの直線走行と深いリーンアングルのコーナーでの予測可能な安定した挙動を約束する。トレリスフレームは、高張力ALS450スチールチューブを組合わせ溶接した構造である。フロントフォークのキャスター角は、−
ドゥカテイのみに採用されている、特殊設計のエキセントリックステアリングヘッドで23.5°から24.5°の間に調整可能である。このアジャストにより、トレール量も91mmから97mmへと変化するが、車体のホイールベース1420mmは不変である。最も立ったヘッドアングルでは機敏性が増し、スタンダードでは安定性が向上する。999にはステアリングダンパーが標準装備される。低速域の操作性と取り回しも、ステアリング切れ角を28.5°まで増すことにより大幅に改善された。
両持ち式砂型鋳造アルミニウムスイングアームは、重量の増加なく最適な剛性が得られる設計である。チェーンガイドとスライダーは一体化。水平方向の2つのテンショナーにより、モーターサイクルのライドハイトとハンドリング特性に影響なくチェーンテンションの調節が可能となった。
フロント320mm径スチールダブルディスクにリア240mm径スチールディスクのブレンボ製ブレーキングシステム。ブレーキディスク厚は、5mmから4.5mmに抑え、バネ下重量を軽減しハンドリングを向上させる。フロントキャリパーには、34mm径4ピストン、焼結4パッドタイプを採用。
ドゥカテイだけのフィーチャーである、キャスター角可変のステアリング:クイックなハンドリングの23.5°から安定性重視の24.5°まで調整できる。ステアリングダンパーは標準装備。
ターンインジケータはミラーと一体化され、エアロダイナミクスの向上と999のクリーンなデザインライン実現に貢献。ミラー/インジケーターユニットは、サーキットユースの時など容易に取外せる構造である。
フォークアッパーブラケットは、FEA(有限要素解析)法で設計、アルミニウム塊を削りだして造られ、ライトウエイトと高剛性を両立。
フロントブレーキマスターシリンダーとクラッチユニットにはラジアルタイプを採用し、よりスムーズは操作とコントロールを実現。クラッチレバーとリアブレーキペダルはアジャスタブルである。
...and More
999のフェアリング内部をみてみれば、そこにイノベーティブなデザインと最新のテクノロジーが凝縮されているのが解る。我々のゴールは、ライダーエルゴノミクスを向上させ、メインテナンスを簡素化し、モーターサイクルから複雑性を排除した魅力的なデザインのドィカテイ・スーパーバイクを創ることである、勿論、パフォーマンスを提供するjことが最優先事項である。エアロダイナミクス、メカニカル及びエレクトリカルコンポーネント、シャシ、そしてランニングギアの開発が第一であり、スタイリングはそれに次ぐものである。
ボルテージレギュレータ、ECU、バッテリ、エレクトロニックダイアグノーシスポート、リレーその他殆どのエレクトリカルコンポーネントは、1つのユニットにまとめられ、エンジン左側面に装着。新型のオルタネータとカバーは、ドゥカテイコルセのモーターサイクルに使用されている希土類磁石(サマリウムコバルト)を採用してコンパクト化が図られた。
フレッシュエアインテークは、エンジンにクールエアを供給。インテーク流路上に設けたクーラントリザーバタンクは簡素化・モジュラー化が図られている。
チェーンテンションは、2つのホリゾンタルスライダーにより調整されるが、ライドハイトには影響しない。
タイミングベルトの点検と交換は、右側に集中していた補機類をエンジン左側面に移動させた為、より容易な作業となった。
モーターサイクルをライダーに合わせる ことは、快適性、コントロール、ライダーの自信につながる鍵である。999のフットペグは、5ポジションの調整式である。
スターターモータは、メインECUを介した盗難防止装置にリンクされている。システムを作動させるデジタルコードを記憶させたイグニッションキーを使用しない限り、スタータは”ロック”され、バイクを動かすことは不可能となる。
イグニッションコイルは、スパークプラグキャップと一体化された”ダイレクトイグニッション”タイプを採用。
潤滑システムは、ドゥカテイコルセのレーシングバイク直系の設計である。新型の深いオイルサンプにより、極限のリーンアングルでも急加速でもコンスタントなオイル供給を約束する。
冷却システムは、簡素化、モジュラー化が図られている。コンベンショナルなホースは合成コンポジットクーラントマニフォールドにとって代わり、クーリングファンもイノベーティブなデュアルコアラジエータに直接マウントされている。
伝説を身にまとう
ドゥカテイ999レザーウエア、ヘルメットそしてジャケット。999の持つパフォーマンスを最大に引出せるよう、ライダーズアパレルはスタイルとテクニカルな要素を両立するデザインで製作されている。999フルレザースーツは、ライダーの身体にぴったりとフィットし、ワールドスーパーバイクファクトリーチームのスーツであることを思い起こさせる。タフ、アグレッシブ、エレガント、スポーツライディングとスピードを愛する者達にとって第二の皮膚である。
レザー、ファブリックジャケットもまた、999のスタイルとスピリットを反映させたものである。先進の構造とパフォーマンスの999ヘルメットを被れば、貴方の999のフルポテンシャルが見えてくる
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細部にわたるスポーツスピリット
ドゥカテイパフォーマンスは、999専用パフォーマンス・カスタマイズアクセサリーラインを創り上げた。パフォーマンスパーツで貴方の999のパワーとハンドリングを向上させ軽量化を実現、またカスタマイズパーツで貴方の個性を際立たせる999に仕上げることもできる。純正パフォーマンスパーツは、オリジナル999の各コンポーネントにフィットし、クオリティとスタイルにマッチするよう開発されている。
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